認め合う社会に向けて

2024.3.8 日本経済新聞に掲載された報堂コンサルティングの依田氏の取り組みから見えてくる称賛文化の必要性

感謝から始まる社内の活性化

博報堂コンサルティング 依田真幸

ワーク・ライフ・バランス志向や在宅勤務といった近年の働き方の変化も相まって、企業と社員とのエンゲージメント(つながり・帰属意識)の在り方を様々な企業が模索している。その中で、社員同士が「称賛しあう」ことで、日々の仕事のやりがいや誇り、仲間や会社への愛着心を育むことに成功しているケースもある。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD072VT0X00C24A2000000/

組織の在り方について依田氏は、感謝についてだけではなく、これまでも称賛の文化について具現化して実際の組織に活用できるよう導入してきた。

「称賛する」ことで組織のコミュニケーションを活性化する

──PRAISE CARDがリリースされたのは2021年でした。その後、実証実験などを行って機能をプラッシュアップしてきたそうですね。まずは、このサービスの概要をお聞かせいただけますか。

依田(博報堂コンサルティング)
PRAISE CARDは会社の同僚などに「称賛のカード」を送ることができるスマートフォンアプリです。カードを贈ったり贈られたりする中で、組織のコミュニケーションが活性化し、組織文化が醸成されることを目的としています。カードのやり取りを促すためにUIやUXを工夫し、カードをやり取りした履歴データの主権を個人に帰属させるためにブロックチェーン技術を活用しています。

──相手を「褒める」カードを送るのが主な用途と考えてよろしいですか。

依田
それが基本的な用途ですが、使い方は大きく三段階に分けられると考えています。第一段階は、社員間のコミュニケーションを促す用途です。日常の業務の中で、シンプルに同僚や部下や上司を称賛したり、感謝の気持ちを伝えたりするためにカードを送るというのがこの段階での使い方です。

中略

重要なのは、カードのやり取りがすべて可視化されることです。それによって例えば、パーパスやMVVの内容のうち、浸透が進んでいるのはどの部分で、進んでいないのはどの部分か、といったことを確認できるようになります。また、企業が目指している部門間交流がどのくらい実現しているかといったことを把握することも可能です。

https://www.hakuhodo.co.jp/magazine/102026/

よりいっそう褒めあう時代へ

 既に記事からも明らかですが、ビジネスをリードする大手会社では称賛文化が日本社会のあらゆるマーケットの中で進められています。依田氏の記事からは強い組織になるためにパーパスを社内に浸透させる必要があり、お互いの感謝や称賛を見える化することにより、個々の交流が活発になり、コミュニケーションが円滑に進められ組織エンゲージメントにも貢献できることが分かります。我々の組織では「子どもへの指導技術・支援技術」に対しての称賛の見える化が一層必要になると感じます。伴って今後の社会全体が称賛文化を受け入れる流れも予想できます。大切なのは、そのような社会に向けて子ども達は必要となる力を身につけていくことです。

褒めあう

褒められて育った子ども達が迎える社会

科学的にも証明されている幼児期の「ほめられ体験」を通して自己肯定感を高められた子どもたちは積極的にコミュケーションをとっていく姿勢が養われます。褒められて育った子ども達の迎える未来は、どんな社会なのでしょうか。現在博報堂コンサルティングの依田氏が進めておられる称賛文化をふまえると、人の良いところを見つけ、素直な気持ちをそのままの言葉にする力を身につけておく必要があります。そのためには幼少期や学生時代に成功体験を重ねて、成長の変化を褒められる環境が必須となります。

コミュニケーション力の育成

 指導員が子ども達に「そのままの気持ちで素直な言葉で褒める」ことは必須となりますが、事業所で働く職員間の良さをお互いが認め合い、ダイレクトに褒めあうシステムづくりもよりいっそう必要と考えます。また保護者様に対してお子様の「なにができているのか」「どこを頑張っていくか」を明確にお伝えしていますが、さらなる向上・改善の余地を模索する姿勢を崩さず徹します。その理由はコミュニケーション力の欠かせない未来社会に対応できる子ども達であってほしいためです。



投稿者プロフィール

あすきたる 児童発達支援・放課後等デイサービス
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